純白のモザイクを見つけた。ツインレイと運命の出会い。運命って、何?
新しい土地に住まいを変えると必然的に暮らしの仕切り直しをすることになります。食料や日用品を手に入れるためのスーパーマーケット、自分の好みに合った美容室、最寄り駅まで一番ご機嫌な気分で歩けるルート、信頼して診てもらえる病院など生活環境のモザイクを一片、一片選び直していくのです。引っ越したら何か習い事でも始めてみようと思っていた私は趣味のモザイク選びということで、早速とあるコミュニティの見学へ長男と一緒に行ってみることにしました。
とあるコミュニティ、まぁ、運動系です。ダンサーだった私にしたら全く畑違いなのですが、昔テレビで見かけてやってみたいなぁと微かな興味をそそられたもので、番組では沖縄古来の武術が中国武術と融合したのがその運動のルーツだと紹介されていました。
訪ねていくとやる気満々の生徒さんたちの活気ですでに稽古場は賑やかでした。目に飛び込んでくる微笑ましい光景に自然と気持ちが明るくなります。白い道着に身を包んだ指導者の方に挨拶をし稽古が始まるのをしばし待ちます。座っていればいいだけなのに初めての場面ってやはりちょっぴり緊張するものですね。時計の長針が「12」をきっかりと指すと、指導者が稽古開始を告げました。
よく響く大きな声が場の空気をサッとまとめ上げ、一瞬にして稽古の環境を創り上げる。目の前で展開されたその妙技のせいではないんです。
声そのもの。
指導者の声そのものにジュっと全身を焼かれた私。
艶のある響きが一気に全身を通り抜け、
鳥肌が立って、産毛も逆立ち、身動きが取れない私。
「この人って…」
「この人って…」
「この人って…、本物かもしれない。」
何の本物かって?そんなものは分かりません。分からないけれど、直感がそう呟いたんです。
あぁ、どうすれば良いのでしょう?これは一体何なのでしょう?
私の何かが変わってしまった。とにかく何かが変わってしまった。これは特別なことに違いない。
だって、全身がチリチリ焼かれたまま、全く動けなくなってしまったんだから。
こんなことって、あり得る??
やがてゆっくり衝撃は収まっていき、面白そうやってみたいという純粋な気持ちで生徒さんたちの動きを眺めているうちに稽古は終わりました。指導者から入会についての説明を聞いているわずかな時間の中で見えない細い糸が繋がったような気がしたのは、説明が終わると指導者は少しほほを赤らめて自らの膝の上に視線を落としてしまったから…。でもそれは気が付かなかった事にしてみました。
それは、簡単なことじゃないですから。
純白のモザイクを見つけた。特別な純白のモザイク。
特別なモザイクを見つけはしたものの、それを手にする気にはなれません。それは、簡単なことではないのです。そっと胸の中にしまっておくだけでいい。
とっても気にはなるけれど。