優里のスピ探究

霊的導き ツインレイ スピリチュアル探求の実録ブログです

ファミリーコンステレーション・ワークショップ参加、一日目。

前日の雨で散った桜の花びらは目黒川一面を覆い尽くし、見事な花筏となって静かに川面を漂っています。ビルの最上階の窓から美しい光景を見下ろしながら、私は憂鬱な気持ちでファミリーコンステレーション・ワークショップが始まるのを待っていました。

 

ワークショップの数日前、警察から母が交通事故にあって病院にいるので迎えに行くようにと連絡が入りました。頭部打撲やろっ骨にひびが入っているものの入院の必要はないのだとか。あわてて病院に駆けつけると母はどす黒い顔色で力なくベットに横たわり、本当に入院の必要はないのかと疑いたくなるほど精魂尽き果てた様子で私はショックを受けてしまいました。

母が離婚惨劇で精神を壊され死人のような顔色でフラフラ漂っていた光景がフラッシュバックし、当時の衝撃が一気に蘇ります。その憂鬱な気持ちにどっぷりはまって抜け出せなくなってしまったまま、ファミリーコンステレーション・ワークショップの日を迎えてしまったのです。

 

 

広い会場では椅子が円を描いて置かれ、皆が向かい合って大きな輪を作るようになっていました。参加者は二十名ほどでしょうか。開始の時間が近づいてきたので花筏を見下ろせる窓に近い椅子に座ります。マイクを手にした女性が立ち上がりました。さあ、始まるようです。

挨拶と全員の自己紹介が済んで、幼少から霊的な研鑽を続けてきたというアメリカ人女性のファシリテーターからのファミリーコンステレーション進行方法や注意事項等の説明に入りました。事前の説明文章を読んでもコンステレーションワークの取り組み方がイメージできず雲をつかむようでしたので、ここは大事なところ。

 

コンステレーションを立てている間、私語は禁止。ファシリテーターの進行に従います。

 

コンステレーションを立てる」とはどういう意味なのでしょう?簡単に説明すると「クライアントの抱えている問題について、参加者全員で場のエネルギーを布置する」ことです。布置は「物事をそれぞれの位置に並べ置くこと。くばりおくこと。(精選版 日本国語大辞典より)」ですが、本来は「星の配置」「星座」を意味する言葉で、心理学用語にもなっています。

 

ファシリテーターがクライアントの抱える問題の内容によりコンステレーションに登場させる人物を決め、クライアントは自分自身を含めた登場人物全員の代理人を参加者の中から選びます。

 

例として、私のコンステレーションでの最初の登場人物は「父・母・私」でした。

 

・クライアントは「場」の中に登場人物を一人一人自由に直感的に布置していきます。「場」とは、具体的には代理人にならなかった参加者全員で作られた輪の中のことです(椅子が円を描いて置かれていたのはこの為でした)。布置し終わったらクライアントは参加者で作られた輪に戻ります。これでコンステレーションが動き始めるので、皆で代理人たちをグルリと取り囲み進行を見守ります。

 

代理人は演技をして役を演じるのではなく、代理を引き受けた登場人物のエネルギーを持つ者として布置された場所に立ち、自分の中に自然に起こる感情や衝動を伝えます。何らかの身体的感覚や布置された場所から動きたい感覚を得たらそれに従って動きますが、ファシリテーターから要望があったときのみ自然にわきあがってきた情報(感情、衝動、欲求、感覚など)を伝えるようにします。

 

 

参加者は事前アンケートで参加者自身が抱える問題を提出しましたが、時間の関係で全員のコンステレーションは立てられないということでした。ですが、代理人としてまたは「情報の場」の一員として参加することに意義があるので心配はいらないとファシリテーターが穏やかに話しました。

悩みや問題というものは実際に自分一人で抱えているものであっても、どこかに必ず同じような苦しみや経験を持った人がいるものです。もしかしたらコンステレーションの登場人物の中に自分と似た人がいて、何かを感じることがあるかもしれません。そういう意味で参加することに意義がある、ということなのかどうかは分かりませんが。

 

 

「さぁ、何か質問はありますか?」

質疑応答の時間になっていくつかのやり取りを聞いた後、私はおそるおそる手を上げました。

「無理そうだったら代理人を断ってもいいですか?」

ファシリテーターが驚いた表情で私を見ています。代理人を断る人はいないのでしょう。

「先日、母が交通事故にあったばかりでまだ動揺しているんです。今、他の人の感情を引き受ける自信がなくて…。」

ファシリテーターは少しの間私を見つめ、こう答えました。

「その質問の答えはYESです。自分の気持ちに従って大丈夫ですよ。」

私をジッと見つめるファシリテーターの瞳と言葉に憐れみがにじんでいます。

「あなたは自分を表現するのが苦手な人ね。私も昔はそうだったのよ。家族の中で自分を主張できなかったの。代理人を断ってもいいでしょう。でも、気持ちが変わったら引き受けてみてくださいね。」

「わかりました。ありがとうございます。」

「では、さっそく始めましょう。コンステレーションを希望する人は手を挙げてください。」

 

指名された参加者がクライアントになり、自分の抱える問題を話し始めます。それからファシリテーターが登場人物を決めてクライアントが代理人を選び…、そうやっていくつかのコンステレーションが立てられてき、その日のワークショップが無事に終わりました。私を代理人に指名する人は、誰もいませんでした。